ポメラが買えないので中古レッツノートを執筆専用端末にする

 2024年1月、まとまった量の文章を入力する必要が生じ、テキスト入力専用の端末が欲しくなった。わざわざ専用端末を用意しなくとも手元のノートパソコンで良さそうなものだが、ノートパソコンは色々できてしまうだけに気が散る。

 テキスト入力端末といえば、キングジムポメラが有名である。有名というか、唯一かもしれない。

 

www.kingjim.co.jp

 

 しかし、現行機種であるDM250の実売価格は最低でも四万数千円(2024年1月当時)。良い製品には相応の対価を払いたいという気持ちはあるものの、あいにく資金がない。

 どうしようかと考えたり、考えなかったりしている時に、たまたま「中古のレッツノートは格安で買える」という情報を得た。調べてみると、なるほど良さそうだ。

 数世代前の中古ノートパソコンが安いのは当然とはいえ、レッツノート質実剛健にして軽量、もともとが高価なブランドである。それにも関わらず、一部の機種は性能から見ると異様に安い値段で買えてしまう。なぜかというと、Windows 11にアップグレードできないためらしい。Windows 10のサポート期間は2025年10月まで。今買っても二年も使えないから安いということなのだろう。

 だが、探していたのはテキスト入力専用機である。そもそもインターネットに繋ぐつもりがないのだから、最新OSに更新できなくても問題ない(更新してくださいという通知でうるさくなることは予想できる)。

 ポメラレッツノートでは大きさも重さも動作も何もかも違うが、良い方に考えれば、Windowsノートだからこその長所もある。好きなテキストエディタや日本語入力ソフトを使えるし、マウスも使える。本体の大きさというデメリットは画面の広さというメリットでもある。複数ファイルを行き来して編集するような作業はポメラより楽だろう。より実際的な見地からすれば、Windowsノートなら万が一の際にも代替品の調達が容易である。(……というのは、ポメラに文句をつけたいのではなくて、現状ポメラが買えないのでこれだけの理由を考え出して自分を納得させたのだった)

 そうと決まれば善は急げで、ネット上の中古パソコン専門店で品定めをし、「CF-SZ5」という2016年発売の機種を購入した。Windows 10 Pro、CPUはi5-6200USkylake=第6世代)、メモリ8GB、SSD128GBで、二万円もしなかった。

 テキストエディタは縦書き用にTATEditor、横書き用にMeryをインストールした。入力ソフトは普段使っているGoogle日本語入力を入れるつもりだったが、インストールにもネット接続が必要らしいので面倒になり、標準IMEのままにした。Google日本語入力は時々小賢しく感じるというか、賢すぎるところがあるので、これはこれでいいかもしれない。

 

tateditor.app

 

www.haijin-boys.com

 

 届いたCF-SZ5は驚くほど軽かった。マグネシウム合金のボディがいかにも堅牢そうで良い。キーボードの感触もノートにしてはしっかりしている。テキストさえ快適に打てればいいと思っていたが、起動・動作速度も文句なしに速い。数世代遅れといえど、高級機の高級機たる所以を見た気がする。

 壁紙や何かをなるべく格好のいいものにして、上述のソフトをインストールして、いざ執筆を始めてみると悪くない。恐らく、作業に集中できる度合いでいったらポメラには敵わないが、そして携帯性の差はどうしようもないが、ひとまず十分である。

 そういうわけで、こつこつぺちぺちと文章を打っている。形になる日が来るかはわからない。